導入事例 -【AMD】マーケットインテリジェンスを拡張
2023-11-28更新
AMD、マーケット インテリジェンスを AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO CPU で拡張
AMD プロセッサを搭載した Lenovo P620 ワークステーションを使用して 総獲得可能市場 (TAM) をさらに迅速かつ効率的に予想。
【概要】
業界:半導体製造のマーケット インテリジェンス
課題:総獲得可能市場の予想範囲を拡大し、成長する会社の課題に対応
解決策: AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO CPU を搭載した Lenovo ThinkStation P620 ワークステーションの導入
結果: 処理時間の短縮、効率性の向上、全社的 TAM の算出能力
お客様の声:「TAM を作成し、市況の変化に合わせて修正できる強力なツールがあるということは驚異的です。これまでのやり方を一変させることができたのも、AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO プロセッサのプロセッシングパワーのおかげです」
「AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO プロセッサは、今では当部署のデータおよびマーケット インテリジェンスの要です。今処理している数の TAM をこのプロセッサなしでは実行できないでしょう」
AMD マーケット インサイト マネージャー、Laura Rutledge氏
AMDテクノロジー概要: AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO
マーケット インテリジェンスはグローバル企業に必須のツールです。数百万人の行く末が複数の製品タイプ全体の売上トレンド予測にかかっている状況では、取引データを正確かつ迅速に処理することが収益性に大きな影響を及ぼします。
AMD が製品ポートフォリオと市場シェアを拡大するなかで、自社のマーケット インテリジェンスの役割は重要性を増しています。クラウド サーバーからローカルのAMD Ryzen™ Threadripper™ PRO プロセッサ搭載ワークステーションに切り替えることで、AMD マーケット インテリジェンス部門は会社の成長に合わせて予測能力を強化することができています。
AMD での TAM の役割の拡大
「当社の使用するマーケット データのほとんどを私たちが管理しています」と語るのは AMD のマーケット インサイト マネージャー、Laura Rutledge 氏。「第三者機関のデータを購入し、それらのデータと各種ソースから配信されるデータを組み合わせて当社独自のアルゴリズムを適用し、独自の予想を作成しています。TAM モデリングにはCPU とグラフィックスが含まれ、さらに去年買収したXilinx も含まれます。当部署が会社全体の TAM のソースとなっています」。
Rutledge は TAM データを使用して、同社営業部のために市場シェアやターゲットなどの内部計算を行います。「私たちが唯一の情報源として情報を提供し、営業部はいつでもその情報を入手できます。また当部署は四半期ごとの最新情報も公開しています」と同氏は言います。「現在、私が担当する 6 つの TAM は、データセンター、クライアント (デスクトップ PC、ワークステーション、ノート PC)、グラフィックスを網羅します。当部署の行っている計算処理は、標準的なデスクトップやノート PC がローカルで実行できる範疇を超えているため、バーチャル マシン サーバー インスタンスを使用しています」。
「リモートでこうしたサーバー インスタンスに接続し、そこでプロセスを実行します」とRutledge 氏は続けます。「それに関する課題は、効率化の方法を見つけ出すこと、そして私たちがそうしたインスタンスのオーナーではないことでした」。つまり、ストレージやプロセッシング パワーの増量を必要とするたびに、IT 部門の調達プロセスを踏まなければならなかったということです。これが特に頻繁に発生していたのは、AMD は過去 5 年間、急速に成長していたからです。
「私が 2018 年に AMD に入社したときは、製品を増やし、参入市場も増やしていました」とRutledge 氏は振り返ります。「今私が出している予測は進化し続けています。当社が成長し続けることで、私たちも常に詳細情報を追加しています。AMD が製品ラインを増やすにつれ、このバーチャル マシンで使用していた演算能力自体が制約になりました。ジョブの実行に一晩かかってしまうような状況でした」。
「私たちはこの問題に対する解決策を見出そうとしていました」と Rutledge 氏は続けます。「まさにその時に AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO プロセッサが登場し、Lenovo とパートナーを組んで発売されたのです」。
Rutledge 氏のチームが考えたのは、このような Lenovo ワークステーションを数台導入することで TAM の演算をオンサイトで実現できるようになり、ハードウェア仕様を完全に制御し、必要な時にアップグレードできるようになるのではないかということです。そこで、チームは 16 コア AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO 3955X プロセッサ搭載の128 GB RAM の Lenovo ThinkStation P620 ワークステーションを要求しました。
AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO のパワーを操る
Rutledge 氏が TAM 計算に使用するメインのソフトウェアは KNIME です。「これはデータ分析プラットフォームで、機能ブロックを結び付けてフローチャートを構築します」と同氏は言います。 「Excel からデータを読み込み、列名を変更したり、他のものと統合したり、置換したりできます。また、その転換の後で各ブロックのデータを調べることができるので、デバッグに役立ちます。その後、反復可能なプログラムを新しいデータに対して複数回実行できます」。
これが大幅な時間短縮になります。「四半期ごとに、6 つの各市場セグメントの新しい TAM を発表します。既存の TAM に新しいデータを取り込んでプロセスを実行できます」と Rutledge 氏は説明します。「このデータは数百万行もあり、各行に非常に豊富な詳細データがあります。予測の対象となる属性は多い時で 30 種類にのぼります。AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO プロセッサが登場するまで、私たちが必要とするパワーを備えた社内プラットフォームはありませんでした」。
「このワークステーションがなければ、私が今実行している作業はできなかったでしょう」と Rutledge 氏は言います。「バーチャル マシンではまったく歯が立たなかったと思います。こうしたワークロードをローカルで実行することで大幅な時間短縮ができました。データセンターのデータセットは当部署が扱う最大のデータセットですが、それについて考える必要もありません。それまではバーチャル サーバーでデータセットを丸ごと処理することができなかったため、データセットを細切れにする必要がありました。今ではこのマシンを使うことでポートフォリオにどんどん TAM を追加しています。すべての TAM が Lenovo P620 上で実行されています」。
全社的な市場予測 「ローカルで実行しているためレイテンシもなく、ストレージやメモリを増やす必要があるときも部署内で拡張できました」と Rutledge 氏は述べています。「実行速度も向上しました。今では勤務時間内に処理が完了します。AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO プロセッサは、今では当部署のデータおよびマーケット インテリジェンスの要です。今処理している数の TAM をこのプロセッサなしでは実行できないでしょう」。
「今は最大 6 つの TAM がありますが、Xilinx を環境に統合することでさらに追加する予定です」と Rutledge 氏は言います。「AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO プロセッサによって全社規模の TAM を作成できるようになりました。これにより、例えばすべてのビジネス セグメントに関する予測を基に 2027 年のシリコン必要量を判定できます。会社としては常により多くのデータを求めています。そして、私たちはそれらのデータを、バックエンドになじみのない一般ユーザーにも使える形式で提供しています」。
「当社の TAM は、各事業部門内の異なるサイズのサプライ チェーンも比較できます」と Rutledge 氏は説明します。「市場が変化し、進化するなかで、AMD では CEO からバイス プレジデントまで多くの社員がこれを頼りにしています。TAM は常に話題になっているため、TAM を作成し、市況の変化に合わせて修正できる強力なツールがあるということは驚異的です。これまでのやり方を一変させることができたのも、AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO プロセッサのプロセッシング パワーのおかげです」。
本導入事例のPDFはこちら。
脚注:
すべてのパフォーマンスとコスト削減効果の記載は AMD により提供されたもので、AMD が独自に検証したものではありません。パフォーマンスとコストのメリットは、さまざまな要因の影響を受けます。
ここに示された結果は AMD 独自のものであり、一般的ではない可能性があります。GD-181
©2023 Advanced Micro Devices, Inc. All rights reserved. AMD、AMD Arrow ロゴ、Ryzen、Threadripper、およびその組み合わせは、Advanced Micro Devices, Inc. の商標です。本書に使用されているその他の製品名は識別目的のみに使用されており、所有するそれぞれの企業の商標である可能性があります。