10%以上性能向上! AMD Ryzen PRO 6000シリーズ・プロセッサーの製品名の見方と前世代との比較を徹底解剖!

AMD Ryzen™ PROプロセッサー

2022-12-26更新

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ハイブリッドワークの強い味方となる AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサー

2022年に発売されたビジネスモバイル向け AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサー。人々の生活が大きく変化した現代において、リモートワークやハイブリッドワークといった新しい働き方に適合することを念頭に置いて設計された。

AMDの AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーは、最新のビジネスモバイル向けCPUだ。一般向けである AMD Ryzen™ に対し、セキュリティー機能や管理機能などPROテクノロジーを付与したのが AMD Ryzen™ PRO プロセッサーになる。

詳しくはこちらをご覧いただきたい。

新たなコア・アーキテクチャー「Zen3+」でインターフェース部分などを強化

AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーは、コア・アーキテクチャーに「Zen 3+」を採用している。

前世代である AMD Ryzen™ PRO 5000 シリーズ・プロセッサーは「Zen 3」だったが、 AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーの「Zen 3+」では、製造プロセスを7nm→6nmに微細化するとともに、パワーマネジメント機能を強化し電力効率を大幅に工場させている。また、同じグレードの「U」SKUを比べるとクロックが高まった。

ほかにもPCI Express 3.0→4.0へ、DDR4→DDR5メモリーへといったインターフェース部分も強化。さらに昨今ではオンライン会議などでいっそう需要が高まったグラフィックス機能も、GCNアーキテクチャーのVega→最新RDNA2アーキテクチャーのNavi世代へと変わり、グラフィックスコアが8→12基と増え、モデルによってはクロックも引き上げられている。

参考:「2022 AMD Ryzen for Business_Ryzen PRO 6000 Series_JP」

このようにパフォーマンス部分でも前世代から大きく向上したのがAMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーなのだ。AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサー、あるいはコンシューマーモデルの AMD Ryzen™ 6000 シリーズ・プロセッサーでノートPCがバリエーション豊かに展開されているのはこうした優れた省電力機能を実現できたことが背景にある。

進化を続けるAMD Ryzen™ プロセッサー。シングルスレッドでは10%以上の向上

ここまで AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーの特徴を紹介してきた。実際、パフォーマンスやバッテリーライフはどのくらいなのか、ここではとくにビジネスモバイルでもっとも需要があるスリムモバイルノートPCを想定し、28W以下の「U」、「Z」SKUの AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーを例に紹介していこう。

そこで、AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーと、前世代である AMD Ryzen™ PRO 5000 シリーズ・プロセッサーとの比較を見てほしい。

参考:「221325951_jp_AMD Ryzen PRO 6000 Series Battlecard.pdf」

ここで用いているのはAMD Ryzen™ 7 PRO 6850U と前世代 AMD Ryzen™ 7 PRO 5850Uである。どちらもコア/スレッド数は8コア/16スレッドで同じだが、前述のとおりCPU/GPUアーキテクチャーやメモリー等々が異なる。AMD Ryzen™ 7 PRO 6850Uは「U」SKUなので15~28WとTDPの設定変更が可能なので、グラフには15W時と28W時が記載されている。TDPが15W同士で比較をしても、AMD Ryzen™ 7 PRO 6850Uは7~17%向上しており、TDPを28Wまで開放すればマルチスレッド時で22~28%も向上している。

また、グラフィックスについてはアーキテクチャーも進化しているのでより大幅な向上を果たしている。

参考:「221325951_jp_AMD Ryzen PRO 6000 Series Battlecard.pdf」

ここで用いられているベンチマークは、PhotoshopやPremiere……といったプロフェッショナルグラフィックスや3DMarkのようなゲームベンチマーク。GPU依存率が高いほど向上幅も大きく、3Dレンダリングや3DMarkでは+100%以上と大きな向上がある。ただし、昨今のアプリケーションでは、非グラフィックス分野でもGPUを活用したりGPUに統合されたエンジンを活用したりすることが増えている。GPUの依存度が高いプロフェッショナルグラフィックスは向上幅が大きいが、一方で一般的なビジネス・アプリケーションをお使いの方にも恩恵がある。

高性能コアが高効率だからロングバッテリーライフ。優れたGPUもビジネス・アプリケーションを加速する

ここまで見てきたように、 AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーのアドバンテージは、高性能なパフォーマンスコアを、同セグメントのライバルより多く搭載したうえで、優れた省電力機能によってロングバッテリーライフを実現しているところにある。その上でより高性能な統合GPU機能が、ビジネス・アプリケーションの性能をさらに加速している。

加えて、ビジネス向け AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーにはAMD PROテクノロジーが採用されている。ハードウェア、OS、システムレベルの多層セキュリティーがデータを守るものだ。Microsoft Plutonにも準拠している。

AMD Ryzen™ PRO プロセッサーのラインナップ

モバイルとくくっているが、ここには15~17型の高性能ノートPCも含まれれば、13型のスリムモバイルノートPCも含まれる。まず AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーのSKUを紹介しておこう。

これらのプロセッサーが搭載された製品の一覧が「AMDプロセッサー 搭載製品一覧」にも掲載されているので、ぜひご覧いただきたい。

         コア数 スレッド数 ベースクロック ブーストクロック TDP
Ryzen 9 PRO 6950H  8    16      3.3GHz      4.9GHz    45W
Ryzen 9 PRO 6950HS 8   16      3.3GHz      4.9GHz    35W
Ryzen 7 PRO 6860Z   8   16      2.7GHz      4.75GHz    28W
Ryzen 7 PRO 6850H  8   16      3.2GHz      4.7GHz    45W
Ryzen 7 PRO 6850HS 8   16     3.2GHz      4.7GHz    35W
Ryzen 7 PRO 6850U  8   16      2.7GHz      4.7GHz     
Ryzen 5 PRO 6650H  6   12      3.3GHz      4.5GHz    45W
Ryzen 5 PRO 6650HS 6    12      3.3GHz      4.5GHz    35W
Ryzen 5 PRO 6650U  6   12      2.9GHz      4.5GHz    
※15~28Wで設定可能

製品名の見方ついて

モデルナンバー部分が同じで、末尾のアルファベットが異なるモデルもいくつかあるが、基本的なルールがあるので説明しよう。まず AMD Ryzen™ 自体のグレードは、9>7>5と、「Ryzen」の後ろにつく数字が大きなものほどコア数が多かったりクロックが高かったりするため、ハイエンドになる。モバイル向け AMD Ryzen™ のうち、統合GPUを内蔵したAPUモデルについては、そのGPUコア数やクロック等もグレード順となっている。

「PRO」に続く4桁の数字でいくつか共通、末尾のアルファベットのみ異なるモデルがあるが、ここにもルールがある。異なるのはTDPだ。たとえば「H」はTDPが45W、「HS」は35W、「Z」は28Wというようになっている。ただし、「U」だけは特殊で、15~28Wで設定できるという特徴を持つ。TDPは熱設計と訳されるように、この数値と筐体の冷却設計は関連している。大型の筐体で大型の冷却機構を搭載するハイパフォーマンスノートPCなら45W、35WのCPU、一方で一般的なノートPCには28W、あるいは15~28Wと設定に自由度がある「U」を採用するといった具合だ。とくに「U」は、メーカーの製品コンセプトに自由度を持たせてくれるモデルだ。スリムモバイルの中でもパフォーマンス志向のモデルなら28Wや高めのTDPを設定でき、スリムさ、軽さを追求するモデルならば15Wや低めのTDPを設定するといったことが可能になる。業態に応じて適切なPCを選ぶといいだろう。

AMD Ryzen™ PRO 6000 シリーズ・プロセッサーに関する資料を公開中

AMDでは AMD Ryzen™ PRO 6000  シリーズ・プロセッサーに関する資料を公開中だ。詳しく知りたい方は以下のリンクを参照していただきたい。下記AMD ArenaはAMD製品の情報についてクイズなどの形式で学ぶことのできるサイトとなっている。ぜひご活用いただきたい。
https://arena.amd.com/course/c4625a02-bb04-485a-874b-321b76b724d8
https://arena.amd.com/course/ec5e6763-ab0e-49b6-b372-e3c60ee10269

また、こちらからはホワイトペーパーもダウンロードが可能だ。AMD Ryzen™ PRO シリーズ・プロセッサーについて、詳細を知りたい方は下記からダウンロードし、参考にしていただきたい。
https://biz.amd-heroes.jp/ebook-foam-ryzenpro

脚注:

¹ 2022 年 4 月 1 日に実施した AMD のテストに基づいています。 バッテリーライフは、カメラをオンにした状態で、200 ニットの明るさ、スライダー位置 AC#2(バランス)、95% の使用率で、参加者 9 人で Microsoft Teams ビデオ会議を実施したテストの時間数で評価しています。 バッテリーライフの結果は、バッテリー容量の相違を考慮して正規化されています。 Intel® Core™ i7-1260P CPU/GPU のシステム構成:Lenovo ThinkPad X1 Carbon、57Wh バッテリー、Intel Iris Xe グラフィックス、2X8 GB RAM (LPDDR5-5500)、1TB SSD、BIOS バージョン N3AET45W (1.10)、Windows 11 Pro。 Ryzen™ 7 PRO 6860Z のシステム構成:Lenovo ThinkPad Z13、50Wh バッテリー、2x16GB LPDDR5-6400、Windows 11 Pro、1TB SSD、 AMD Radeon 680M グラフィックス、GPU ドライバー 30.0、BIOS N3GET12WE (0.12)。 実際のバッテリーライフは、さまざまな要因によって異なります。要因には、製品構成、使用状況、ソフトウェア、操作条件、ワイヤレス機能、パワーマネージメント設定、画面の明るさなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。 バッテリーの最大容量は、時間と使用に伴い自然に減少します。 RMP-32

バッテリーライフの主張はすべておおよその値です。 これは、AMD Ryzen 7 PRO 6850U プロセッサーと 76Wh バッテリーを搭載した HP EliteBook 865 G9 を MobileMark 18 を用いてテストした結果に基づくバッテリーライフで、HP が報告した数値です。 実際のバッテリーライフは、さまざまな要因によって異なります。要因には、製品構成、使用状況、ソフトウェア、操作条件、ワイヤレス機能、パワーマネージメント設定、画面の明るさなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。 バッテリーの最大容量は、時間と使用に伴い自然に減少します。 AMD は、このバッテリーライフの主張を独自にテストまたは検証していません。 詳細については、hp.com をご覧ください。 GD-168 – 4 月 19 日に Bapco.com で公開されたデータです。

² AMD が 2021年12月14日に実施したテストに基づきます。制作と生産性のパフォーマンスは、20 W TDP 未満のプロセッサーを搭載した AMD の超薄型ノート PC における Cinebench R23 nt のリーダーシップに基づいています。パフォーマンスは異なる場合があります。RMB-26 

AMD パフォーマンスラボが 2021年12月10日に HP ProBook 635 Aero G8 (AMD Ryzen™ Pro 7 5850U プロセッサー、16 GB RAM – 3200 MHz、Samsung SSD 980 PRO 1 TB ドライブ、AMD Radeon™ グラフィックス、GPU ドライバー 27.20、Windows Professional ビルド 22000.282 使用) を利用して、Mayan CRB (AMD Ryzen™ 7 6850U プロセッサー、16 GB RAM – 6400、Samsung SSD 980 PRO 1 TB ドライブ、AMD Radeon™ 680M グラフィックス、GPU ドライバー 30.0、BIOS TRM0081D、Windows Professional ビルド 22000.282 使用) と比較して、Cinebench R23 シングルスレッド、Cinebench R23 マルチスレッド、Geekbench v5 Multi-Core Score、PassMark 10 CPU Mark、PC Mark 10 Benchmark のテストを使用して、テストを実施しました。 PC メーカーの構成によって、異なる結果が生じる場合があります。結果は異なる場合があります。 RMP-14

³ AMD が 2021年12月14日に実施したテストに基づきます。前世代の Ryzen™ 7 5800U および競合する Intel Core i7 モバイル・プロセッサーと比較して、3DMark Time Spy によって示された統合型グラフィックス・パフォーマンスのリーダーシップ。 パフォーマンスは異なる場合があります。RMB-6

AMD パフォーマンスラボが 2021年12月10日に HP ProBook 635 Aero G8 (AMD Ryzen™ Pro 7 5850U プロセッサー、16 GB RAM – 3200 MHz、Samsung SSD 980 PRO 1 TB ドライブ、AMD Radeon™ グラフィックス、GPU ドライバー 27.20、Windows Professional ビルド 22000.282 使用) を利用し、Mayan CRB (AMD Ryzen™ 7 6850U プロセッサー、16 GB RAM – 6400、Samsung SSD 980 PRO 1 TB ドライブ、AMD Radeon™ 680M グラフィックス、GPU ドライバー 30.0、BIOS TRM0081D、Windows Professional ビルド 22000.282 使用) と比較して、Puget Photoshop Overall Score、Puget Adobe Premiere Standard Overall Score、-Davinci Resolve 4K Overall Score、Blender Bench GPU-ClassRoom、3D Mark Timespy Extreme のテストを使用してテストを実施しました。PC メーカーの構成によって、異なる結果が生じる場合があります。結果は異なる場合があります。PCMark® は Futuremark Corporation の登録商標です。 RMP-15

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