導入事例 -【マイネット】新たなビジネス・モデルに貢献する AMD EPYC™

AMD EPYC™ プロセッサー 事例

2023-09-13更新

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モバイルゲームに AMD と OCI を使って新たな命を吹き込むマイネット

AMD EPYC™ プロセッサーが、モバイルゲームの再生とその収益性を高める新たなビジネス・モデルに貢献。

【概要】
業界:モバイルゲームおよびエンターテイメント
課題:コスト効率を維持しながらモバイルゲームの収益性を拡大
解決策:Oracle OCI クラウド・インスタンスを支えている AMD EPYC™ プロセッサーが高密度のデータセンター・ソリューションを実現。これにより、マイネットはコストを抑制するとともに、変化する要件への対応能力を獲得
結果:さまざまな Oracle OCI インスタンスにわたって2000個の AMD EPYC™ vCPU を使用することで、ゲーマー向けの適応性の高いハイパフォーマンスのゲーム体験をサポートするとともに、サーバーコストを月あたり360万円削減
お客様の声:「3 年が経った今でも、AMDの使用に起因するトラブルは起きていません」「AMD と OCI のおかげで、コストに大きな悪影響を与えることなくサーバー数を調整できます。…必要に応じて追加のリソースをスケールアウトできるため、各タイトルのサーバー戦略を管理しやすくなります」
「OCI で利用出来るインスタンスのうち、AMD CPU のインスタンスのコストは、Intel CPU のインスタンスの半分でした。…これまでは運用コストの制約により、積極的なサーバー拡張戦略を採用できない状況もありました。しかし、今では AMD CPU を搭載した OCI のインスタンスによってコストを節約できるため、ゲーム内イベントなど必要に応じてサーバー数を増やすことが可能です」
株式会社マイネット 技術部長、堀越裕樹氏
AMDテクノロジー概要: AMD EPYC™ 7002 プロセッサー、 AMD EPYC™ 7003 プロセッサー、 AMD EPYC™ 7J13 プロセッサー搭載の Oracle OCI E4 インスタンス
テクノロジーパートナー:Oracle


マイネットは日本のモバイルゲーム市場において、独自のアプローチで事業を展開しています。ゲームを一から制作するのではなく、すでに開発・リリースされたゲームを買収して新たな命を吹き込むのです。その狙いはユーザーが今後何年もの間、ゲームプレイを楽しめる長期運営を実現することです。他社からタイトルを預かり運営に特化してきたことで、シミュレーションから戦略RPG、スポーツ、リズムゲームにいたるまで、多岐にわたるジャンルのゲームを提供しています。マイネットでは基本プレイを無料で提供し、ガチャなどの有料アイテムを用意することで収益を生み出しています。ゲームは主にスマートフォンやタブレット向けに配信されており、ユーザーは外出先でもお気に入りのタイトルをプレイすることができます。

マイネットはゲームタイトルの長期運営を目指すにあたり、費用対効果を重視する運用戦略を取っています。その一つに、さまざまなクラウドサービスプロバイダーのコストを継続的かつ厳密に精査し、改善余地がないかを分析していることが挙げられます。マイネットのコスト効率において重要な要素の一つは、サーバープロセッサーの密度です。高効率なサーバーを利用することで稼働するサーバーあたりで処理できるユーザー数を増やし、全体のコスト最適化を達成しています。このようにして、マイネットは高品質なゲーム体験の提供と収益性の維持を両立しています。

数字で検証:他クラウドサービスプロバイダーとの比較

2018年マイネットは、まず当時の最大手クラウドサービスプロバイダーであったAWSの比較対象として、 AMD EPYC™ 7000 シリーズ・プロセッサー搭載のOracle Cloud Infrastructure (OCI) E2 インスタンスを検証しました。OCIE2、AWSEC2m4、OCIX7のインスタンス間でベンチマークとコストの計算を行った結果、コストパフォーマンスの面からOCI E2が比較対象を上回っていることが分かりました。実際にOCI E2のコストはAWS EC2 m4の1/4であり、リプレイスによって月あたりおよそ360万円の削減が見込まれていました。マイネットはARMテクノロジーを使用したサーバーの検証も行いましたが、x86-64アーキテクチャからの移行は困難で時間がかかるため、最終的にAMDを採用することに決定しました。

マイネットの技術部長である堀越 裕樹氏は次のように述べています。「OCIで利用出来るインスタンスのうち、AMD CPUのインスタンスのコストは、Intel CPUのインスタンスの半分でした。また処理能力も同水準にあります。これは同じコストでサーバー数を倍にして性能強化できることを意味します。これまでは運用コストの制約により、積極的なサーバー拡張戦略を採用できない状況もありました。しかし、今ではAMD CPUを搭載したOCIのインスタンスによってコストを節約できるため、ゲーム内イベントなど必要に応じてサーバー数を増やすことが可能です。また、増台が必要がない場合にはサーバー数を半減することもできます。」

AMD EPYC™ 7000シリーズ・プロセッサーは、PCのパフォーマンスを最大限に高めたい企業にさまざまなメリットをもたらします。プロセッサーあたり最大32個のコアと64個のスレッドを提供でき、非常に優れた拡張性とマルチタスク機能を実現します。AMD EPYC™7000 シリーズは、PCI Express 4.0、安全性の高い暗号化と仮想化、および128ものPCIeレーンを備えており、莫大なデータを取り扱うアプリケーションに最適です。

スムーズな移行の鍵

こうした比較結果に基づき、マイネットはOCI E2を採用した後、段階的に本番環境へもリリースしてきました。そしてOCI上で新たなAMDインスタンス世代がリリースされるたびに、E2からE3、E4へと移行していきました。

現在、マイネットが使用しているOCIインスタンスのすべてがAMDによって支えられています。マイネットのワークロードではE3/E4インスタンスのパフォーマンスがE2のパフォーマンスを大きく上回っており、OCIへの移行を選択したことによる好影響はさらに拡大し続けています。

また、サーバーの選択に際してはアプリケーション環境の要件も考慮する必要がありました。マイネットが取り扱っているゲームは元来、様々な企業で開発されているため多種多様なアーキテクチャに対応するホスト環境が必要になります。ゲームサーバーのバックエンドではApache HTTPD、nginx。開発言語ではPHP、Java、C#、データベースではMySQL、PostgreSQLなどです。AMDのテクノロジーはマイネットの幅広いアーキテクチャにおいても等しく効率的で信頼性の高いパフォーマンスを発揮しており、常に高品質のエクスペリエンスをユーザーに提供しています。

「ユーザーへのサービス提供を継続しながらOCIへの移行を検討するにあたり、事前にIntelで動作している既存アプリケーションをAMDに移行する際に問題が発生しないかを確認すべきだと考えました」と堀越氏は説明します。「他社事例としてこのプロセスにおける移行時のトラブルがなかったかをOCIに確認したところ、問題が報告された事はないとの回答でした。また、社内でも検証を進めたことで自信をもって移行を進めることができました。3年が経った今でも、AMDの使用に起因するトラブルは起きていません。AMDが他のプラットフォームとどれだけ互換性があるのか、移行がいかにスムーズに進むのかということをもっと多くの人に知っていただきたいです。」

ユーザーの変わり続ける要求を満たす柔軟性とスケーラビリティ

マイネットではOCI全体で約2,000個のAMD EPYC™ vCPUを使用しています。その中で、各タイトルにおける利用傾向も注意深くチェックしています。たとえば、街を作っていくシミュレーション系のゲームは、一日を通して比較的一定した利用が見られます。しかし、期間限定の特別イベント中にユーザーの活動が活発になり、サーバーのアクセスが増加することがあります。一方で、仲間やグループが互いに競い合うGvGゲームでは、アクセス数が一日の間で大幅に変動することがあります。通常は10台のサーバーを必要とするゲームが、突然150台のサーバーを必要とすることも珍しくありません。これに対応するために、マイネットではバトルやイベントなどのピーク時にサーバー数を増やし、非ピーク時には減らすスケーリング戦略をとっています。

堀越氏は次のように述べています。「AMDとOCIのおかげで、コストに大きな悪影響を与えることなくサーバー数を調整できます。ゲーム内でのバトルがいつ起きるかを事前に把握し、必要に応じて追加のリソースをスケールアウトできるため、各タイトルのサーバー戦略を管理しやすくなります。」

大好きなゲームを長年遊ぶことができる明るい未来

続けて堀越氏は次のように述べました。「OCIとAMDを組み合わせて使用することで、コスト、パフォーマンス、サーバー密度に大きなメリットがあることがわかりました。これが、他のクラウドプロバイダーと並行してOCIを採用することを決定した理由の一つであり、それこそがAMDのもたらす効率性と費用対効果を如実に表していると思っています。Oracleには本当に感謝しています。

ぜひ他の企業様もAMDやOCIのメリットに注目し、さらに多くのサービスプロバイダーやゲームデベロッパーでも検討していただきたいです。このテクノロジーのおかげで、マイネットはユーザーに優れたゲーミング・エクスペリエンスを提供できていると自信をもって言えます。」

現在マイネットはOCIだけでなく、他クラウドプロバイダーでもAMD CPU搭載のインスタンスへの移行を進めています。また、同社のサーバーにとって最もコスト効率とパフォーマンスが高いオプションを使用できるように、今後のOCI E5 インスタンスなどに限らず、AMDおよびOCI以外の技術的進化にも引き続き注目していきます。


【株式会社マイネットについて】

2006年に設立されたマイネットは、他社で制作されたゲームタイトルの買取を中心に、その運用を最適化することで長期運営を実現しています。そのような独自の事業形態により、幅広いユーザーにゲームを長年楽しんでいただくとともに、投資収益率の最大化にもアプローチしています。運営タイトルは街づくりのシミュレーションからスポーツに至るまで26ものタイトルに及び、日本や北米をはじめとする世界中のユーザーの人気を集めています。マイネットは、人々が互いにつながり、お気に入りのゲームを楽しめるコミュニティの構築に努めています。詳細については、mynet.co.jp をご覧ください。

本導入事例のPDFはこちら

脚注:
すべてのパフォーマンスとコスト削減効果の記載はマイネットにより提供されたもので、AMD が独自に検証したものではありません。パフォーマンスとコストのメリットは、さまざまな要因の影響を受けます。ここに示された結果はマイネット独自のものであり、一般的ではない可能性があります。GD-181
©2023 Advanced Micro Devices, Inc. All rights reserved.AMD、AMD Arrow ロゴ、EPYC、およびその組み合わせは、Advanced Micro Devices, Inc. の商標です。
本書に使用されているその他の製品名は識別目的のみに使用されており、所有するそれぞれの企業の商標である可能性があります。

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