CPUに AMD EPYC™ 搭載サーバーをお勧めする3つの理由

2022-12-05更新

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CPUに AMD EPYC™ 搭載サーバーをお勧めする3つの理由

システムの導入に携わっている皆さんは、どこに着目してサーバーの機種を選定されていますか?

おそらく「処理能力」と「販売価格」という2つの観点で検討している方が多いと思います。

EPYC搭載サーバーはこの2つの観点から見ても優秀です。

またこの2点は当然重要なのですが、もう一つ重要なことがあります。それら3つの観点全てにおいて、EPYC搭載サーバーを導入すべきだといえます。

この記事では、これら3つの観点から見たEPYC搭載サーバーの優位性についてご説明します。

処理能力

サーバー機として最初に評価すべき処理能力を比較してみます。
2022年10月時点でAMDとIntelのそれぞれ最上位CPUである AMD EPYC™ 7773XとXeon Platinum 8380を比較してみましょう。
CPUの処理能力をわかりやすく判断する基準として、コア数とスレッド数・クロック周波数を以下にまとめてあります。

コア数、スレッド数、クロック周波数ともにすべてAMDが上回っていることがわかります。

しかし、実際のところコア数とスレッド数、クロック周波数以外の様々な要因によってCPUの処理速度は変わってきます。

そこで実際の使用を想定してCPUの処理速度をシミュレートするのがベンチマークです。CPUの処理能力を比較する代表的なベンチマークである、Passmark CPU Markでは以下の結果となります。

EPYC 7773Xがやはり45%以上の差をつけて圧倒的に高速であるという結果が得られました。
現時点でXeonに対する優位は全く揺るがないのですが、更にAMDは高速なCPUをリリースします。

出典:https://gazlog.com/entry/epyc-genoa-performance-leak/

レンタルサーバーにおいて、常に「国内最速」をキャッチフレーズにユーザーの支持を集めているエックスサーバー株式会社を始めとして、多くの企業がEPYCを採用していることも、高性能の証明といえるでしょう。

参考:エックスサーバー公式Webサイト

販売価格

AMD EPYC™ 7773X のAMD社の推奨販売価格は8,800ドルです。

Xeon Platinum 8380 は9,359ドルであり価格でも差をつけています。

出典:

EPYC:https://www.gdm.or.jp/pressrelease/2022/0322/432423
XEON:https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/products/sku/212287/intel-xeon-platinum-8380-processor-60m-cache-2-30-ghz/specifications.html

前項「処理能力」で述べたようにEPYCはXeonよりも遥かに高性能です。そしてかつ低価格を実現しており、これだけでもXeonを選ぶ理由はまったくないといえるでしょう。

EPYCのコストパフォーマンスについて、更に詳細なシミュレーションをAMDでは提供しています。

AMD EPYC™ SERVER VIRTUALIZATION TCO ESTIMATION TOOL

代表的な仮想化ソリューションであるVMwareを使用した場合のコスト比較の一例です。
ハードウェア取得費用、ライセンス料、人件費、電気料金を加味すると更に差は広がることがわかります。

全ての比較を網羅できるわけではないのですが、コストの比較イメージはかなりつかめるでしょう。

セキュリティ

サーバーの選定において最重要ポイントでありながら、あまり考慮されていないポイントがセキュリティです。

セキュリティについてはファイヤーウォールといったサーバー以外のハードウェア、IPSやIDSといったソフトウェア、そしてシステムの実装、日々の運用だけが議論されるのが普通です。

それに対してサーバーそのものの構成といった観点はあまり顧みられません。どのサーバーであっても大きく変わらないと思われているわけです。

しかし、どのようなCPUを搭載しているサーバーを選ぶかによってもセキュリティの強固さは大きく変わります。

セキュリティは単一の対策だけで確保するものではなく、複数の対策を重層的に組み合わせて確保するべきものだからです。

CPUといったサーバー本体の構成要素においてもセキュリティの考慮を行うことは、より安全性を高めるのです。

AMD Infinity Guard による階層化されたセキュリティ機能は機密データの保護、ダウンタイムの回避、リソースの浪費削減に寄与します。

EPYCは各仮想マシンに対して一意の暗号化キーを用いて暗号化を行うことにより、機密性を確保する仕組みを持ちます。

また、他の仮想マシンからのメモリーの侵入を拒否するといった仕組みを備えています。
これらの機能により個々の仮想マシンの安全性が確保されるのです。

詳細はこちらを御覧ください。AMD Infinity Guard

サーバーの導入はトータルコストで判断すべき

3つの観点から、EPYC搭載のサーバーを導入すべきという結論が導かれるでしょう。
しかし、実際はさらに大きな違いがあるのです。

サーバーの導入は「TCO」で最終的に判断されるべきなのです。

TCOとは「Total Cost of Ownership」の略ですが、導入から維持管理を含めたトータルコストを指します。

TCOに占める機器の購入代金といった「目に見えるコスト」より、運用にかかる人件費のほうがはるかに大きいのです。

またその他にも様々なコストがあります。それぞれについて見ていきましょう。

人件費について

サーバーには見えない工数が多く必要です。

初期設定も必要ですし、死活監視、日々のバックアップ、パッチの適用、障害が起こった場合のリプレイス作業など、多大な人件費がかかります。

そして、人件費はサーバー台数が増えれば増えるほど比例して必要になります。

そのため、処理能力の高いサーバーはコスト面において有利になるのですが、処理能力の高いEPYCは圧倒的にコストで優位になります。

1,200 台の VM を実行する場合を試算してみましょう。

EPYC 7713 CPU搭載サーバーはXeon 8380 プロセッサー・ベースのサーバーよりも、サーバー台数は33%少なくなります。

単純計算すればサーバー管理にかかる人件費が、33%削減できるということなのです。

出典:https://www.amd.com/ja/campaigns/epyc-energy-efficiency

ソフトウェアのライセンス料金

サーバーの台数を減らすことで、ソフトウェアのライセンス料金も削減することができます。

例えばVMware vSphere Essentials Plus Kitであれば、3台の物理サーバーに対して741,600円がかかります。また、年間の保守料も別途必要です。

出典:https://store-jp.vmware.com/vmware-vsphere-essentials-plus-kit-5653279400.html

サーバーの台数が33%削減できれば、ライセンス料金も年間の保守料もその分少なくて済むのです。

電気料金

そして、近年では電気料金も大きな問題となっています。

天然ガスの輸入量の減少、太陽光発電といった非ベースロード電源の割合増大により、電力需要が逼迫しています。日本ではまだそれほどの影響はありませんが、EU加盟国の電気料金の上昇率はイタリアなどでは前年の2倍を超えるものとなっています。

出典:Wedge ONLINE エネルギー危機、拡大へ フィンランドの街灯が消える日
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/28113

そのため電力パフォーマンスの高いサーバーが、これまで以上に求められるようになってきました。

サーバーの単純な消費電力の比較ではなく、同じ消費電力でどれだけ処理を実行できるかが重要なのです。

前述の1,200台のVMを実行した場合の消費電力は32%削減できるという試算になります。

出典:https://www.amd.com/ja/campaigns/epyc-energy-efficiency

更に、サーバーの消費電力を減らすことは、冷房のための消費電力を減らすことに直結します。

実際に世界のベスト・デジタルバンクに選ばれているDBS銀行では、1,000台を超えるEPYC CPU搭載のサーバーを導入し、刷新を行いました。これによりデータセンターの消費電力を50%削減することができたという実績があります。

消費電力32%削減という試算は、決して単なる机上の計算ではないのです。

出典:https://www.amd.com/system/files/documents/dbs-case-study-ja.pdf

事故が起きた際の機会ロス・対応コスト

障害が生じた際のビジネスの機会ロス、情報の漏洩といったトラブル対応のコストは莫大なものになります。

場合によっては企業の存続そのものが脅かされる事態に陥ることもあります。

このような大規模障害や、事故を防ぐことは企業を存続させるために最も重要で、そのためには堅牢なセキュリティを確保することが必須なのです。
この点においても、最新のセキュリティであるAMD Infinity Guard を搭載したEPYCには、圧倒的なアドバンテージがあります。

まとめ

処理能力・販売価格・セキュリティ、そしてTCOの観点からEPYCの優位性を説明してまいりました。

購入価格だけでなく、維持管理費用を含めるとトータルでのコストパフォーマンスが大きく違います。そして強固なセキュリティを実現することができます。

これからサーバーを導入、リプレイスする際にはEPYC搭載のサーバーを導入することを強くお勧めします。

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