導入事例 -【JOCDN】AMD EPYC™ プロセッサーの導入でコンテンツ配信ネットワーク・インフラストラクチャーの消費電力を削減し、スループットを 2 倍に向上

AMD EPYC™ プロセッサー 事例

2022-11-14更新

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AMD EPYC™ CPU により、ブロードキャスト・ビデオ・ストリーミングを強化したJOCDN

動画コンテンツの配信は、データセンター・ハードウェアのパフォーマンスに関する課題があるだけでなく、コスト効果の高い方法で提供する必要があります。ブロードキャストの合弁企業として設立されたJOCDN は、日本市場における動画配信の最前線に立っています。 同社は新規サービスの開発に取り組みながら、コストに見合った最高のプロセッシング・パワーを導入し、競争力を維持することが常に求められています。既存のインフラストラクチャーでは成長チャンスが制限されることを認識した JOCDN は、代わりとなる他のプラットフォームを模索していました。JOCDN が求めていた、競争力のある現在のサービスを維持して将来的な拡張に対応できる製品がAMD EPYC プロセッサーでした。

【概要】
業界:動画コンテンツ配信ネットワーク
課題:拡大する動画配信サービスの需要を満たすために、サービスの安定性を維持し、コストとフットプリントを削減する
解決策:AMD EPYC™ プロセッサーを搭載したサーバーの導入
結果:スループットを 2 倍に向上させ、CPU 使用率を約 40%、消費電力を 20% 削減することに成功
お客様の声:「EPYC により、 CPU 使用率を約 40% 、消費電力を約 20%削減することができました 」
「24 コアの Intel Xeon CPU と 32 コアの AMD EPYCプロセッサーを自社のワークロードで比較したところ、 EPYC により約 2 倍のスループットがテストで実証されました」
「当社はサービスUI 、サービス・クリエーション の サーバーや他のワークロードの目的で別のサーバーを使用しています。現在、こうしたサーバーでも EPYC プロセッサーを活用することを計画しています」JOCDN エンジニア 宮地慧氏
AMDテクノロジー概要:AMD EPYC™ 7502P CPU(32 コア)
テクノロジー・パートナー:Dell Technologies、Super Micro Computer

スループットを倍増

JOCDNは、日本におけるオンライン・ビデオストリーミング需要の高まりに対応することを目的として、実績ある ISP であるインターネットイニシアティブ( IIJ )と大手の日本テレビ放送網(NTV)の共同出資により設立された企業です。「主に動画コンテンツの配信を行っていますが、ウェブ・コンテンツの配信サービスも提供するようになりました」と話すJOCDN のエンジニア、宮地慧氏は、「当社は、安定した高品質のコンテンツ配信ネットワーク( CDN )を提供しています。日本国内市場で最多のトラフィックを誇っています」と述べています 。

この主導的な地位を維持するため、JOCDN はこの貴重な優位性を確立できるインフラストラクチャーを整備したいと考えていました。宮地氏は、「サービスを中断することはできません。そのため、サーバーの安定性は不可欠な要件であり、サーバーのパフォーマンスは当社の競争力に直接関係します。 CDN 業界では、価格競争力も非常に重要な要素となるため、運用コストを低く抑える必要があります」と説明しています。

「CDN サーバーは、 NVMe ® ディスクと 100 ギガビットのイーサネット・ネットワーク・インターフェイス を搭載しています」と語る宮地氏は、「動画の配信では、大量のトラフィックを処理する必要があります。当社のプラットフォームでは、お客様が約 100 万人に上るユーザーに動画を配信しています」と続けています。このレベルのスループットを維持しながら、優れた品質のサービスを提供するには、インフラストラクチャーを継続的に改善していく必要があります。同氏はまた、「当社はほとんどのサーバーで Intel CPU を使用していましたが、この Intel CPU の仕様には苦心するところがあり、別の製品を探していました」と述べています。

見本市のCES などで、 AMD EPYC™ プロセッサーのことを耳にしたという宮地氏は、「そこで、当社はこの新しいプロセッサーを試してみることにしたのです」と語ります。 JOCDN のハードウェア・パートナーである Dell Technologies と Supermicroがテスト環境を提供しました。「以前使用していた Intel CPU は I/O パフォーマンスが低かったのです。当社の 100 ギガビット NIC には、ハイパフォーマンス CPU が必要でした。 24 コアの Intel Xeon CPUと 32 コアの AMD EPYC™ プロセッサーを自社のワークロードで比較したところ、 AMD EPYC™ により約 2 倍のスループットがテストで実証されました」

JOCDNにとって、 PCIe のスループットは重要な要素となります。 AMD EPYC™ プロセッサーには高速な PCIe レーンがより多く搭載されていることで、高速なデータ転送に大きく依存する CDN アプリケーションの I/O パフォーマンスが大幅に向上したのです。

低消費電力で実現する優れたパフォーマンス

JOCDNは、ビデオ・スループット以外の領域についても評価しています。宮地氏は、「キャッシュ・パフォーマンスもテストしました。 Intel とAMD EPYC CPU に同等の負荷をかけて比較してみたのです。 AMD EPYC™ では、 CPU 使用率が約 40% 低下することが実証されました」と宮地氏は述べます。

同時に、 AMD EPYC™ では消費電力を約 20% 削減できることも分かりました。しかも、応答性には目立った相違は見られなかったのです。つまり、 AMD EPYC™ プロセッサーを活用することで、同等のワークロードでエネルギー消費を抑えながら、ビジネスの拡大に伴いワークロードが増加した場合にも余裕をもってそれに対応できる状況を整えられることを、 JOCDN は認識 したのです 。

AMDプロセッサーへの移行は容易に完了しました 。「当社は CI/CD (継続的インテグレーション / 継続的デリバリ) に尽力しています」と話す宮地氏は、「当社は、 Ansible® などの DevOps ツールを使用 しており、 AMD EPYC™ への移行は非常に簡単でした。現在、サーバーは完全に安定して稼働しています」と語っています。 JOCDN は現在、 32 コア AMD EPYC™ 7502Pプロセッサーを搭載した 20 台のサーバーを導入しています。また、第 3 世代 AMD EPYC™ CPU を搭載したサーバーをさらに 30 台導入している最中です。

宮地氏は、「当社が得られた最大のメリットは、パフォーマンスのスループットが向上したことです。これにより、競争力のある価格でハイパフォーマンス・サーバーをお客様に提供できるようになりました」と述べています。

CDN業界では、パフォーマンスは重要ですが、価格競争力が最も重要な要素となります。 CPU 使用率を約 40% 削減できれば、サービスの稼働率が向上します。消費電力を約 20% 削減できるということは、コストが低下するということです。 したがって、低コストで安定したサービスを提供できるようになるというわけです」と説明しています。

CDN 業界向け推奨プロセッサー

消費電力の削減により、JOCDN の目標とデータセンターのフットプリントでメリットが得られました。「近代的な企業として、当社はサステナビリティを重要な企業責任と捉えています」と語る宮地氏は、 「サーバーあたりの消費電力を削減できれば、ラック密度を上げ、全体的な設置面積を抑えることができます。 社会問題として、データセンター全体のサステナビリティを考慮する必要があるのです」と話しています。

宮地氏はまた、「当社はこれまでに、既存のプロセッサーの約 1/3 を AMD EPYC™ CPU 搭載サーバーに置き換えました。その数を増やせば、より著しい効果が見られるはずです。フロントエッジの1/3 で第 2 世代 AMD EPYC™ を活用しており、将来的には第 3 世代 AMD EPYC™ プロセッサーを導入する予定です。コア数と PCIe レーン数は重要ですが、総合的なスループットとハイパフォーマンスが最も重要な要素となります」と述べています。

動画配信サービスにAMD EPYC™ プロセッサーを導入して成功した JOCDN は現在、多数存在する他の演算機能にもこのプロセッサーを活用することを検討しています。宮地氏は、「現在、仮想マシンやコンテナ・プラットフォームに AMD EPYC™ プロセッサーを使用していますが、開発インフラストラクチャーや他のワークロードの目的では別のサーバーも使用しています。現在、こうしたサーバーでも AMD EPYC™ プロセッサーを活用することを計画しています」と語っています。

AMD EPYC™ プロセッサーのパフォーマンス特性に非常に満足した JOCDN は、パートナーにもこのプロセッサーを勧めると話しています。「当社は、放送局や ISP 企業と非常に強固な関係を構築しています。消費電力の削減やパフォーマンスの向上といったメリットをもたらす AMD EPYC プロセッサーを他社に推奨したいと思います。これほど優れた機能なら、他のサービス・プロバイダーに心からお勧めします」と宮地氏は述べます。

【JOCDNについて】
JOCDN は、コンテンツ配信ネットワーク( CDN )をブロードキャストおよび動画配信エージェンシー向けに提供する日本有数の企業です。インターネット・サービス・プロバイダーのインターネットイニシアティブ( IIJ )による大規模な配信テクノロジーと、日テレオンデマンドや Hulu などを提供する日本テレビ放送網 ( NTV )のビデオ配信サービスを融合して誕生しました。 CDN サービスをブロードキャストおよび動画配信エージェンシーに提供することを目的として、両社の共同出資により設立された同社には、現在、日本の多くの民放局や放送協会が出資しています。
JOCDN は、テレビ 放映をインターネットで同時配信するなど、先駆的なサービスを提供しています。詳細については、 jocdn.co.jp をご覧ください。

本導入事例のPDFはこちら

脚注:

パフォーマンスとコスト削減に関する記載はすべて JOCDN によるもので、AMD により独立して検証されたものではありません。パフォーマンスとコストのメリットは、さまざまな要因の影響を受けます。本ドキュメントに示されている結果は JOCDN に固有のものであり、標準ではない可能性があります。GD-181
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