導入事例【GMOインターネット株式会社】Microsoft Hyper-V® 向けの仮想マシンの 密度を高めながらコストを削減

事例 AMD EPYC™ プロセッサー

2022-09-16更新

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AMD EPYC™ プロセッサー でクラウドサービスを強化するGMO インターネット

ガートナー・リサーチによると、世界のパブリック・クラウド市場は2020年には20%近く成長すると予測されており、今後数年間はその成長率が鈍化する兆しはありません。東京に本社を置くGMOインターネット株式会社(GMO Internet, Inc)は、Microsoftとオープンソースプラットフォームに基づくクラウドサービスの強力なポートフォリオを有する日本のインターネットインフラストラクチャー企業です。GMOは、 AMD EPYC™ プロセッサーの存在を知ったとき、この新しいテクノロジーは、同社のクラウド・プロビジョニングを次世代レベルに引き上げるための完璧な方法を提供してくれるものだと考えました。

クラウド・ビジネスは価格による影響を非常に受けやすい事業であるため、各サーバーが対応できる仮想マシン(VM)の数が重要な要素となります。GMOインターネット株式会社のシステム本部クラウドサービス開発部・インフラ統括チームのマネージャーを務める的場侑也氏は、「サーバーあたりのVM密度を高めることで、コストを削減することができます」と説明しています。ソケットあたりのコア数が多い AMD EPYC™ プロセッサーは、GMOにとって特に魅力的な製品でした。当時、GMOは他のx86プロセッサーを搭載した20ラックのサーバーでWindowsベースのHyper -V VMを運用していました。 AMD EPYC™ CPUを採用することで、サーバー数を大幅に減らして、取得コストと運用コストの両方を大胆に削減するというのが的場氏の狙いでした。

【概要】
業界:
インターネット・インフラストラクチャー・プロバイダー
課題:サーバーあたりの仮想マシン数を増やして、コストを削減する
解決策:AMD EPYC™ 7552 プロセッサーの導入
結果:従来の構成と比較して、サーバーあたりの仮想マシン数が5倍以上に増加
お客さまの声:「コアあたりのワット数が非常に優れているため、VM密度をさらに向上させることができました」
「古い x86サーバーを新しい AMD EPYC™ サーバーに置き換え、サーバーあたりのVM密度を非常に向上させることに成功しました…AMDのようにコア数を増やすとしたら、従来のx86プロセッサーでは非常に高価になってしまうでしょう」GMOインターネット株式会社、システム本部クラウドサービス開発部・インフラ統括チーム・マネージャー、的場侑也氏
AMDテクノロジー概要:24コアのAMD EPYC™ 7401P 48コアのAMD EPYC™ 7552
テクノロジー・パートナー:Dell Technologies

AMD EPYC™ プロセッサーにより実現するコア密度の向上

GMOは、ドメインやベアメタル・サーバーといったさまざまなインターネットサービスを提供しています。しかし、同社が最も得意とする分野は、商用のWindowsオペレーティング・システムとHyper-Vによるハードウェア仮想化、およびオープンソースの Linux® ベース・プラットフォームを介したクラウドサービスの提供です。GMOは当初、Hyper-Vを提供するにあたり、CPUあたり4コアの他のx86プロセッサーを使用して、20ラックのデュアル・ソケット・サーバーを運用していました。的場氏は、「サーバーあたりのVM数は最大40台でした」と話しています。

GMOは、お客様が独自のソフトウェアをインストールしてクラウドで実行できるVMを提供しています。そのため、サーバーあたりの利用可能な台数が、そのまま1台のサーバーでサポートできるお客様の数となります。密度の向上を図ることを目的として、GMOのハードウェア・パートナーであるDell EMCが、PowerEdge R6415ラック・サーバーで第1世代 AMD EPYC™ プロセッサーを提案しました。コンシューマー・レベルでAMD CPUが高い評価を受けていることについて、GMOはすでに関心を寄せていました。「AMD EPYC™ プロセッサーは高い評価を受けていました」と説明した同氏は、「当社は、コンシューマーCPUが高く評価されていたことから、サーバーCPUも非常に優れており、素晴らしいパフォーマンスを発揮するに違いないと考えたのです。そこで、 AMD EPYC™ プロセッサーを試すことにしました」と述べています。

GMOはVMを新たなプラットフォームに移行する予定であったため、これがWindowsとHyper-Vで完全に互換性があることも重要なポイントでした。同氏は、「Dell EMCのAMD EPYC™ プロセッサー・ベースのPowerEdgeサーバーは、すでにWindowsとHyper-Vで認定されており、これも当社が同製品を導入する動機の1つとなりました」と話しています。AMDのサポートがすべてを簡単に解決し、 AMD EPYC™ への移行はスムーズに進行しました。同氏は、「古いx86サーバーを新しい AMD EPYC™ プロセッサー搭載サーバーに置き換え、サーバーあたりのVM密度を飛躍的に向上させることに成功しましたが、当社はサーバーあたりのVM密度をさらに高めたいと考えていました」と説明しています。そのため、第2世代 AMD EPYC™ プロセッサーが発売されると、GMOは同製品を試すことにしたのです。

シングル・ソケットにより運用コストを削減

次回のアップグレードを念頭に置いて適切なプロセッサーを確実に選択するため、GMOは、Maxon Cinebench R20を使用して、既存の第1世代 AMD EPYC™ 7401P プロセッサー・プラットフォームをデュアル・ソケット構成のAMD以外の12コアCPUおよびシングル・ソケットの48コア第2世代 AMD EPYC™ 7552プロセッサーと比較する独自のパフォーマンス・テストを実施しました。非AMDのx86プロセッサーは、ベース・クロック周波数の高さが影響して、GMOの既存の第1世代 AMD EPYC™ プラットフォームよりも59%高速という結果となりましたが、コア数が2倍の第2世代 AMD EPYC™ は非AMD x86 CPUよりも58%高速であることが判明しました。クラウドサービスのプロビジョニングでは、純粋なパフォーマンスだけでなく、予算内でサポートできるVM数が重要な要素となります。x86プロセッサーで、シングル・ソケットの AMD EPYC™ 7552 プロセッサーのようなハイパフォーマンスを実現するためには、デュアル・ソケット構成でより高価なCPUが必要となります。的場氏は、「AMDのようにコア数を増やすとしたら、従来のx86プロセッサーでは非常に高価になってしまうでしょう」と説明しています。 AMD EPYC™ サーバーのほうが購入コストを削減でき、日々のコスト面でもさらなるメリットがもたらされます。同氏は、「2つのソケットを1つに減らすことで、消費電力を削減することができます」と述べています。

こうして、サーバーあたりのVM数を大幅に増加させることに成功したGMOは、以前の構成では20ラックが必要だったものが、2ラックで提供できるようになりました。同氏は、「移行前の旧世代と比較すると、以前はサーバーあたりのVMは40台でしたが、現在はサーバーあたり250台のVMを実現できるようになりました」と話しています。これにより、同社はソフトウェア・ライセンスのコストも削減することができました。同氏は、「当社はWindows ServerのMicrosoft Services Provider License(サービス・プロバイダー・ライセンス)を利用しているため、ソケット数が多くなると、より多くの料金を支払う必要があります。同じ数のVMでコア数も削減できれば、それに応じてコストも削減できるのです。これが、第2世代 AMD EPYC™ を導入した定量的なメリットです」と説明しています。

今後のAMD EPYC™ ロードマップで、より豊富なサービスと選択肢を提供

Windows Hyper-Vワークロードに AMD EPYC™ プロセッサーを採用することに成功したGMOは、Linuxベースのオープンソース・クラウドをはじめ、他の分野での展開を検討しています。「Windows Serverは非常に安定しています」と説明した的場氏は、「今後の課題は、オープンソース・ソフトウェアへのAMD EPYC™ プロセッサーの導入です。以前のx86プラットフォームでは、CPUの選択肢は1つしかありませんでした。しかし、今では選択プロセスを変えることができるようになりました」と述べています。

第1世代から第2世代のAMD EPYC™ プロセッサーへの移行に伴い、GMOではメモリーの割り当てを256GBから512GBに増加させましたが、これは AMD EPYC™ プロセッサーを搭載したプラットフォームの最大4TBの範囲内に収まっています。GMOは、AMD EPYC プロセッサーのPCI Express® 4.0のサポートをまだ活用していませんが、今後のサービスで提供する予定です。同氏は、「当社は企業向けの仮想デスクトップ・インフラストラクチャー(VDI)製品を開発する予定です。この計画において、PCI Gen 4は重要な役割を果たすことになります。VDIにはGPUを活用したいと考えており、PCI Gen 4を使用することになります。AMDはGPUも提供しているので、将来的に試してみたいと考えています」と話しています。

しかし、今のところ、GMOは AMD EPYC™ プロセッサーによる大きな恩恵を受けています。同氏はまた、「コアあたりのワット数が非常に優れているため、その結果VM密度を向上させることができます」と述べています。第3世代 AMD EPYC™ に向けたAMDのロードマップにより、GMOは今後のサービス改善をより良好に計画することができます。同氏は、「AMDが新しい製品を開発し、新たな課題への挑戦を続けているため、当社も新しいサービスを開発することができます。とても有意義なことです」と話しています。

【GMOインターネットグループについて】
GMOインターネットグループは、日本で最も広く利用されているドメイン、ホスティング&クラウド、eコマース、セキュリティー、決済ソリューションを開発・運営するインターネットサービス業界のリーディングカンパニーです。同グループは、世界最大級のオンラインFX取引プラットフォームをはじめ、オンライン広告、インターネットメディア、暗号資産関連サービスを展開しています。

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