AMDは、省エネ性能に優れたEPYC™ Embedded 8004シリーズを組み込みシステム向けに発表しました。
2025-04-25更新
AMD EPYC Embedded 8004シリーズプロセッサは、計算処理が求められる組み込みシステム向けに設計されており、厳しい負荷のかかるワークロードに対して卓越したパフォーマンスを発揮しつつ、省エネ性能を最大化します。このプロセッサは、スペースや電力が限られたアプリケーションにも対応できるコンパクトなフォームファクタを採用しており、システム性能と信頼性をさらに高めるための組み込み機能を包括的に統合しています。要求の厳しい組み込み環境で優れたパフォーマンスを発揮するよう設計されたAMD EPYC Embedded 8004シリーズは、ネットワーキングシステム、ルーター、セキュリティアプライアンス、エンタープライズおよびクラウドのウォーム／コールドストレージ、そして産業用エッジアプリケーションに最適で、動的なワークロードに対応するためのシームレスな処理を提供します。
画期的な性能と省エネ効率
AMD EPYC Embedded 8004シリーズプロセッサは、AMDの「Zen 4c」コアの利点を活かし、コア密度とワットあたりのパフォーマンスで新しいレベルに到達しています。EPYC Embedded 8004は、これらのコアを統合したAMDの組み込みポートフォリオ初のプロセッサシリーズであり、プラットフォーム効率と革新性の新しい基準を確立しました。この進歩により、ハードウェアプロバイダーは、前世代（「Zen 3」）と比較してパフォーマンス・ワット比が最大30%向上する、差別化された省エネプラットフォームを設計することが可能になります。
これらのプロセッサは、1P構成で12から64コア（24から128スレッド）に対応し、最大1.152TBのDDR5メモリ容量（2 DIMM/チャンネルで96GB DIMMサイズ）をサポートします。また、熱設計電力（TDP）は70Wから225Wの範囲で、多様なアプリケーションのニーズに応える設計となっています。
広範なI/O機能とコンパクトな設計
AMD EPYC Embedded 8004シリーズプロセッサは、高速I/O接続（96レーンPCIe® Gen 5）と広範なメモリ帯域幅（DDR5-4800を6チャンネル）を備え、データ集約型ワークロードを簡単に処理するように設計されています。これにより、システム設計者はSSDやネットワークカードなどのコンポーネントを柔軟かつスケーラブルに接続するシステム構成を簡単に構築することができます。
このプロセッサは、AMD EPYC Embedded 9004シリーズプロセッサと比較して19%小型化されたSP6ソケット形状で提供され、省スペースでありながらエネルギー効率に優れています。また、7年間の長期サポートがあり、システム設計者はプラットフォームの長期有効化を図ることができます。
強化された組み込み機能
AMD EPYC Embedded 8004シリーズプロセッサは、データ転送能力、システムの信頼性、データ保持において優れた性能を発揮します。統合された主な機能は次のとおりです：
- ダイレクトメモリアクセス（AMD EPYC 第4世代 DMA）：データ転送をCPUからオフロードすることで、システムの効率と性能を向上させ、コアが重要なアプリケーションタスクに集中できるように設計されています。
- ノントランスペアレントブリッジング（NTB）：PCI Express（PCIe®）を介して、2つのCPU間でデータを交換することで、システムの信頼性を高め、障害が発生しても動作を継続できるようにします。
- DRAMフラッシュからNVMe：電源喪失時にDRAMから不揮発性メモリにデータをフラッシュすることで、重要なデータの保持を保証します。
- デュアルSPIサポート：BIOSイメージ用とセキュアブートローダー用に2つのSPI ROMを使用できるようにし、セキュリティの層を追加します。
- デバイスID認証：暗号化による認証を使用して、CPUの不正なアップグレードから保護します。
- Yoctoフレームワークサポート：組み込みシステム向けに軽量で最適化されたLinux OSを作成できるようにします。
AMD EPYC Embedded 8004シリーズプロセッサは、エネルギー効率、熱適応性、プラットフォーム密度に厳しい要求がある市場に最適です。ネットワーキング、ストレージ、過酷な環境での産業用エッジシステムに最適化されており、求められるパフォーマンスと高度な機能を提供します。
