導入事例 -【ゼンリンデータコム】AMD EPYC™ を活用し、パフォーマンス向上とコスト削減を実現

事例

2023-09-08更新

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ゼンリンデータコム、AMD EPYC™ プロセッサを活用して地図ソリューションのクラウド インフラストラクチャを最適化

AMD EPYC™ プロセッサにより、ゼンリンデータコムは Amazon EC2 インスタンスのパフォーマンス向上とコスト削減を達成。

【概要】
業界:ソフトウェアおよびサイエンス
課題:スムーズに移行しつつ、以前と同等以上のパフォーマンスを提供できるコスト効率の高いソリューションで、クラウド インフラストラクチャのコスト上昇を抑制する
解決策: 競合他社製のインスタンスから AMD EPYC™ CPU 搭載の Amazon EC2 インスタンスに移行
結果: AMD EPYC™ 7002 プロセッサはゼンリンデータコムのベンチマークテスト項目の約80%において、競合プロセッサを凌駕
お客様の声:「年々増加していた AWS のコストを削減する上で、 AMD EPYC™ インスタンスへの移行は、非常に重要な決断でした」
「AMD EPYC™ CPU 搭載の EC2 インスタンスを使用するメリットの1 つは、プログラム自体に手を加えずにインフラストラクチャレイヤーを変更できる点です。そのため、手作業やプログラムの大きな変更が不要で、大幅なコスト削減につながります」
「結果は明白でした。AMD EPYC™ CPU 搭載 EC2 インスタンスは、ほぼすべてのベンチマーク テスト項目で高いスコアを記録しました」
ゼンリンデータコム、シニアエンジニア、水尾千寿氏
AMDテクノロジー概要: AMD EPYC™ 7001 プロセッサ、AMD EPYC™ 7002 プロセッサ、AMD EPYC™ 7003 プロセッサ
テクノロジーパートナー: AWS


ゼンリンデータコムは、地図業界で70年以上の実績を持つ日本の大手企業の子会社です。企業や消費者が正確で最新の位置情報をベースとした十分な情報に基づいて意思決定できるよう、高品質のデータとサービスを提供しています。ゼンリンデータコムは特に高解像度の地図情報で知られており、中でも密集市街地の詳細な住宅地図は宅配便やその他の位置情報サービスの効率化に利用されています。ゼンリンデータコムは地図サービスの重要なコンポーネントとして、第3世代の AMD EPYC™ CPU を搭載した Amazon EC2 インスタンスを使用しています。現在、AMD EPYC™ CPU で200以上のサーバーインスタンスを実行しており、AMD EPYC™ プロセッサ搭載インスタンスの特長であるコスト削減と使いやすさを活かし、地図描画、経路検索、住所検索、施設検索、ジオコーディングのエンジンを稼動させています。ゼンリンデータコムは、これらを開発ツールやコンシューマー向けのスマートフォンアプリ、法人向けのナビゲーション機能として提供しています。さらに、同社は AMD EPYC™ CPU 搭載のインスタンスを使用してサービスの検証、開発を行い、顧客に個別の検証環境を提供しています。

クラウド運用に影響を与えずにコストを低減

ゼンリンデータコムは、2011 年に Amazon EC2 インスタンスの利用を開始して以来、クラウド サーバーのフットプリントを着実に増やし、現在は 4,500 台以上を稼動させています。ゼンリンデータコムにとって、AWS を利用するメリットの 1 つは、オートスケール機能と従量課金であり、必要に応じてサーバーの台数を増減させ、使用した分だけ支払うことが可能です。

また、AWS の利用により、地図データ変換など必要時のみサーバーを起動し、変換処理が完了したらサーバーを停止するなど、サービス運用の最適化を図ることもできます。

しかし、AWS は使い勝手が良いというメリットがある一方で、競合他社のインスタンスのコスト高騰がゼンリンデータコムの課題となっていました。そのため、ゼンリンデータコムは AMD インスタンスへの移行を開始し、パフォーマンスの維持または向上とコスト削減の両立を図りました。「年々増加していたAWS のコストを削減する上で、AMD EPYC™ インスタンスへの移行は、非常に重要な決断でした」とゼンリンデータコムでシニア エンジニアを務める水尾千寿氏は語っています。さらに「私たちは当初、パフォーマンスに悪影響が出るのではないかと心配していました。しかし、AMD と緊密に連携した結果、スムーズかつ簡単に移行することができました。それ以来、私たちはAMD EPYC™ CPU を搭載したインスタンス上で稼動させるマッピング サービスを拡大してきました」と語りました。

水尾氏は「AMD EPYC™ プロセッサ搭載の EC2 インスタンスを使用するメリットの 1 つは、プログラム自体に手を加えずにインフラストラクチャ レイヤーを変更できる点です。そのため、手作業やプログラムの大きな変更が不要で、大幅なコスト削減につながります。このような移行のしやすさは、ゼンリンデータコムにとって大きなメリットであり、他の企業にもお勧めできる点です」

AMD EPYC™ で幅広い地図ソリューションを展開

ゼンリンデータコムは、共有インフラストラクチャとしてさまざまな地図ソリューションエンジンを運用しており、200 個のAMD EPYC™ CPU 搭載サーバー インスタンスのうち 70 インスタンスをミッションクリティカルな地図エンジン専用にしています。さらに、こうしたインスタンスを使用し、本番環境への移行前にアプリケーションをテストする検証環境を顧客に提供しています。

水尾氏は「AMD EPYC™ CPU 搭載プラットフォーム インスタンスには安心感を抱いています。だからこそ、こうしたサービスを直接お客様に提供できるのです」と述べています。

ゼンリンデータコムが AMD プロセッサを搭載したインスタンスで実行するアプリケーションのうち、最も重要なものが A 地点から B 地点への最適経路を探索し、最終目的地を特定する経路探索エンジンです。最適経路を探索する機能は大規模な CPU リソースを必要とするため、ゼンリンデータコムは Amazon EC2 インスタンスを使用して探索エンジンをスムーズに実行するために必要な演算リソースを提供しています。「経路探索エンジンは当社の地図ソリューションに不可欠です。そこで、AMD EPYC™ プロセッサで構築されたAmazon EC2 インスタンスを活用して必要な演算リソースを確保しています」と水尾氏は語ります。

高パフォーマンスと低コストを両立させる AMD EPYC™ CPU 搭載 EC2 インスタンス

AMD 製 CPU を搭載した EC2 インスタンスの技術側面のうち、ゼンリンデータコムが特に重要視している点は、x86 との互換性の高さと移行のしやすさです。その特長を活かし、同社はパフォーマンスを犠牲にせずスムーズに新しいプラットフォームに移行することができました。移行プロセスをスムーズに進めるためには、同様の仕様を持つ他のインスタンス ファミリと比較して、同等以上の vCPU、メモリ、ネットワーク帯域幅、Amazon EBS 帯域幅を備えている必要があります。そこで、ゼンリンデータコムは AMD EPYC™ プロセッサ搭載インスタンスのパフォーマンスを評価するために、UnixBench による一般ベンチマーク テストと、同社の探索エンジンによるパフォーマンス テストを実施しました。「第 2 世代 AMD EPYC™ 7002 シリーズ プロセッサ搭載インスタンスを評価するために、いくつかのベンチマーク テスト項目を使用しました。その結果、テスト項目の約 80% で AMD は第 2 世代の競合他社製スケーラブル プロセッサよりも高いスコアを残しました」と水尾氏は述べます。また、経路探索エンジンの同時接続処理能力も評価したところ、AMD 搭載インスタンスは競合他社と同等の接続数を処理することができ、応答速度に大きな差がないことも分かりました。

「結果は明白でした」と水尾氏は語ります。「AMD EPYC™ CPU 搭載 EC2 インスタンスは、ほぼすべてのベンチマーク テスト項目で高いスコアを記録しました。しかも、AMD 搭載インスタンスのコストが 10% 低いにもかかわらず、パフォーマンス テストでは応答速度に大きな差がありませんでした」

スピーディかつクリーンでコスト効率の高い未来

長期的な戦略の下で技術的な進歩を優先してきたゼンリンデータコムは、AWS とのパートナーシップと AMD CPU 搭載 EC2 インスタンスを利用して、将来の成功に向けて着々と準備を進めています。「AMD EPYC™ プロセッサの効果で当社の消費電力、そして業務で発生するCO2 排出量を削減できると期待しています。日本で CO2 排出削減を重視する中小企業が増えるにつれ、この特長はますます大きな価値を持つようになるでしょう。当社がこのプラットフォームを選択したことで、将来的に環境面でのメリットが大きくなることを期待しています」と水尾氏は語ります。

さらに、同社は 3D 地図などの 3D データの処理にAMD GPU 搭載の Amazon EC2 G4ad インスタンスを利用することを検討しています。ゼンリンデータコムはこのインスタンスの利用により、ファイル変換時間の大幅な短縮を期待しています。

ゼンリンデータコムが AMD EPYC™ プロセッサ搭載インスタンスを採用したことは、コスト効率と効率に優れた革新的な地図ソリューションを顧客に提供したいというコミットメントの証です。同社は、2022 年 12 月に東京リージョンで利用可能になった AMD 第 3 世代AMD EPYC™ “Milan” プロセッサ搭載の最新 EC2 R6a インスタンスに AWS インスタンスをアップグレードする予定です。「最新の第 6 世代 AMD インスタンスにアップグレードすれば、パフォーマンスの大幅な向上とコスト削減が期待できます」と水尾氏は語っています。


【ゼンリンデータコムについて】
ゼンリンデータコムは、地図業界で70年以上の実績を持つ日本の大手企業の子会社です。経路検索エンジン、住所検索エンジン、ジオコーディング エンジンなどの製品を提供し、開発者、コンシューマー、企業顧客に利用されています。高度な技術と充実した地図データを持ち、正確で信頼性の高い位置ベースサービスを競争力のある価格で提供しています。ゼンリンデータコムは、変化する顧客ニーズに対応するため、サービスの革新と拡充を続けています。詳細はこちらでご覧ください。

本導入事例のPDFはこちら

脚注:
すべてのパフォーマンスとコスト削減効果の記載はゼンリンデータコムにより提供されたもので、AMD が独自に検証したものではありません。パフォーマンスとコストのメリットは、さまざまな要因の影響を受けます。ここに示された結果はゼンリンデータコム独自のものであり、一般的ではない可能性があります。GD-181
©2023 Advanced Micro Devices, Inc. All rights reserved.AMD、AMD Arrow ロゴ、EPYC、およびその組み合わせは、Advanced Micro Devices, Inc. の商標です。本書に使用されているその他の製品名は識別目的のみに使用されており、所有するそれぞれの企業の商標である可能性があります。

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